法律マメ知識

交通事故シリーズ 他人が起こした交通事故の責任(第3回)―家族の運転

弁護士 中野 直樹

 相談者は、妻と関西にある大学1年の息子さんとの3人家族です。夫婦は運転免許をもっていません。当然、車も持っていません。相談者は、息子さんから大学進学祝いにとせがまれてバイクを買い与えました。バイクは息子さんの名義ですが、息子さんには収入はなく、購入代金や保険料はすべて父親の相談者が出しました。この息子さんがバイクで事故をおこし、被害者に怪我をさせ、また車両に損害を与えました。

 バイクにも自賠責保険がかけられているので怪我の治療や慰謝料については限度内であれば保険金で弁償されます。しかし、物損については自賠責保険が出ません。息子さんは弁償する蓄えがありません。この場合に、父である相談者が賠償責任を負うかです。バイクは息子さんのものであり、運転していたのも関西でありますが、息子さんはいわゆるスネかじり状態であり、バイクの購入費などもすべて親が出しているような場合には、相談者(父)にも、「運行供用者」責任があるというのが判例です。

2017/12/06
  • 法律相談のご予約