お知らせ

建設アスベスト訴訟 建材メーカとの和解成立

2025/08/18

「謝れ、償え、なくせ、アスベスト被害」

建設アスベスト訴訟(東京1陣・2陣)

建材メーカーと勝利和解(東京高裁)

弁護士 中野直樹

 2025年8月7日、東京高裁で、1陣・被災原告253名、2陣・被災原告98名と建材メーカーとの間で和解が成立しました。損害賠償責任を負うメーカー7社が原告に、「石綿含有建材の製造販売に際し適切な警告表示を怠ったことにより石綿関連疾患による甚大な被害を生じさせたことについて深くお詫び」をし、和解金の支払いを約束しました(1陣・約40億円、2陣・約11億円)。

 建築現場で働いてきた被災者らは建材から発生するアスベスト粉じんを吸って重い肺の病気になりました。首都圏の多数の被害者が団結して2008年に1陣訴訟を、2014年に2陣訴訟を、国と建材メーカーを被告として提訴し、長い年月を要した闘いとなりました。

 2021年には最高裁で国の責任が確定し、裁判によらずに慰謝料の半分の範囲で救済される給付金制度が実現しました。これまで8500名を超える被害者が給付を受けることができています。今般の建材メーカーとの和解は、慰謝料の残りの半分を勝ち取ったものとなります。

 東京3陣訴訟は東京地裁で結審し、本年12月に裁判所から和解案が示される予定です。4陣訴訟は東京地裁で審理が続いています。1陣訴訟の被災者の9割、2陣訴訟の被災者の8割が解決をみることなく亡くなられました。被災者が重い病気をかかえながら長い裁判を闘うことは大変酷なことです。私たちは、和解解決による迅速な解決を図る仕組みをつくること、さらに建材メーカーとの間でも国と同様に裁判によらずに賠償金を得られる給付金制度の実現をめざしています。

 当事務所からは、弁護士中野直樹が1陣訴訟立ち上げ当初から、弁護士半田虎生が2021年より弁護団に参加しています。

 

 

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